ビジネスに関する不正確な説明
ベッキーはコンサルティング・エンジニアである。彼女は、コンサルタント商会ネットワークの組織化を手伝うボランティアの募集に対して、最初に応募してきた人だった。協会の役員のベリンダは、ベッキーにそのネットワークの組織化の援助を依頼した。
後に、ベリンダはベッキーに、エンジニアリングの仕事に彼女が興味を持っているかどうか尋ねた。ベッキーは、委託に関する詳しい情報が入手できるのだと期待してベリンダのオフィスを訪れた。しかし代わりにベリンダは、これからクライアントになるかも知れない会社のオフィスにベッキーを連れて行った。しかも、その仕事についてベリンダはこれまでベッキーに何も相談することもなかったのである。技術的な問題に対するクライアントによる説明のなかほどで、クライアントは契約関係について質問した。ベリンダは、ベッキーがこのプロジェクトの下請けをすると応答した。
ベリンダがまず最初にベッキーに相談することなく、ベッキーにプロジェクトを下請けするよう指示したことは倫理的といえるだろうか。
この状況でベリンダとベッキーの倫理的な義務とは何だったのだろうか。
−NSPE事例96-1番からの改作
(訳 須長一幸 日本学術振興会特別研究員PD(北海道大学))
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