エイダはある大都市の建築部部長である。予算の都合で、有資格者を十分に雇うことができず、その結果、検査官が行き届いた検査をするのは難しくなってしまった。しかも最近になって、この市は新しいより厳しい建築規制を採用した。確かにこの建築規制は公共の安全をこれまで以上に確保するものだが、査察官にとってはこのためますます行き届いた検査をするのが難しくなってしまった。
　エイダは、彼女の懸案について相談するために市議会の議長と面談を行った。議長は、建築部が検査官を追加的に雇用することを認める代わりに、いくつかの建築中の建物を、以前の、よりゆるい規制の下で検査することをエイダが認めるということを条件に出してきた。
　エイダは議長の提案に同意すべきか？
―NSPE事例98-5番からの改作

（訳　西村慶人　北海道大学文学研究科後期博士課程）