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制限されたアドバイス

 オマリーは設計コンサルティング会社で働く職業エンジニアである。同時に彼は、ある地方自治体に雇われている。そこで彼はアドバイスを提供し、調査を実行し、見積依頼書(RFP,requests for proposals)の検査を行っている。その地方自治体とオマリーの間の取り決めによれば、彼は、コンサルティング会社に対して、承認や審査を受けるために地方自治体に提出するための計画を提供することを許されていなかった。オマリーはコンサルティング会社とも同様の取り決めをしていた。しかしながら、設計コンサルティング会社で働く他の人々の中には、地方自治体に提出するための計画をクライアントに提供している者もいた。
 上で述べられた取り決めは、利益の相反を防ぐために十分なものであろうか?追加的な情報を得ることでこの状況に対するあなたの評価は変わるであろうか?もしそうであるなら、どのような情報か?それはどのような点で有用なのか?
 設計コンサルティング会社のエンジニアのオコーナーとオブライエンが、地方自治体に提出されることになる計画をクライアントのために準備していたとしよう。オコーナーとオブライエンがそうした計画を準備することによって直面している問題に対して、オマリーはまさに答えを与えるべき専門的な知識を有しているのである。オコーナーとオブライエンはその問題のことでオマリーに接近し、彼にアドバイスを求めた。
 オマリーは何をすべきだろうか?上で述べられた取り決めはオマリーを適切な方向に導くのに十分なものであろうか?
―NSPE事例90-7番からの改作

(訳 西村慶人 北海道大学文学研究科後期博士課程)