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エンジニアによる潜在的な利益の相反の開示

 エンジニアの野田は、高速道路の支柱の建設に関わる調査を実施するために、州に雇われていた。その州は、野田の住む場所の近隣の地域に支柱を建築することを考えていた。このことを知った野田は、州に対して、彼の家はプロジェクトが計画されている地域に隣接しているから、これは利益の相反になるのではないかと相談した。州はそれにもかかわらず野田を雇用していた。野田は調査を実施し、最終的に高速道路の支柱の建築を推薦した。支柱は建設された。
 野田の推薦にバイアスがかかっている危険はないだろうか?野田による情報開示を受けて、州は適切に行動したと言えるだろうか?情報開示にもかかわらず、いまだに利益の相反は存在したのではないだろうか?道徳的な観点から見て、野田には潜在的な利益の相反を開示する以上のことが求められているのだろうか?
―NSPE事例85-6番からの改作

(訳 西村慶人 北海道大学文学研究科後期博士課程)