下請けにおけるアファーマティブ・アクション
MSTは土木建築に特化した大きなコンサルティング・エンジニアリング会社である。そして、エンジニアリングに関する仕事のうち、公的機関のための仕事が大きな割合を占めている。こうした公的機関は、特に公的資金を用いたプロジェクトに際しては、下請けコンサルタントとして、マイノリティや女性が所有する設計会社のサービスを利用するよう促している。
ほぼ一年間、たまたまMSTはオーリン社のサービスを利用しており、オーリン社は不利な状況下にある会社であるという上述のような基準にかなっていた。そして、MSTはこの提携によって良好なパブリック・リレーションズ(良い関係作りのためのコミュニケーション活動)を得てきた。オーリン社のサービスは適切なものであり、それ以上でも以下でもなかった。最近の記事では、MSTは不利な状況下にある会社を雇い続けようと努力してきたかどで称賛を受けた。これにより、オーリン社はMSTに対してさらに高額な料金を請求するようになった。
MSTはこうした高額化にたいして何らかの行動をとるべきだろうか。このシナリオがあなたの倫理的な評価に関係するようななにか他の情報があるだろうか。
−NSPE事例92-9番からの改作
(訳 須長一幸 日本学術振興会特別研究員PD(北海道大学))
|