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公共から民間に転職したあとの、前職に関係のある仕事

 エンジニアのスベンソンは、長年にわたって、郡における地域内での建築規制の申請をエンジニアリングの観点から評価するという仕事に携わっていた。その後退職し、民間のクライアントに対して同様の仕事をするためにコンサルタント事務所を開設した。スベンソンはその後、ある地域開発会社に雇用された。その会社は、郡の規制適用除外(a zoning variance)委員会に開発申請をしていた。彼は、主要給排水系が技術的に可能なのかどうかについて、およびその近隣のコミュニティに対する環境的な影響について証言することになっていた。
 まだ郡で勤務していたころ、スベンソンはこの開発申請に関して予備的な技術的評価を行っていた。この開発申請の許可に反対している住民グループは、地域開発会社がスベンソンを、申請を支持する専門的な証人として雇用していることに、正式に反対を表明した。
 スベンソンは利益の相反を抱えているだろうか?スベンソンが、郡の仕事に従事している間に、この申請の予備的評価を行ったということはどの程度重要なことなのだろうか?なんらかの追加的な情報によって、あなたのこの状況に対する判断が変化することはあるだろうか?
―NSPE事例78-10番からの改作

(訳 西村慶人 北海道大学文学研究科後期博士課程)