従来、核酸の化学合成において不可避とされてきた核酸塩基部の保護基として有機パラジウム触媒反応によって温和な条件下に効率よく、完璧に除去できるアリル系保護基を開発し、これを用いる超効率DNA合成法を確立した(J.Am.Chem.Soc.1990,112,1691-1696)。本法は下図(60量体粗生成物)に示したように既存法にくらべてはるかに高純度のDNAを与え、また、既存の方法では叶わなかった不安定なDNA誘導体の合成にも有用であるため、現在、「名古屋法」と賞賛され、汎用されている。