解説

GPUによる量子化学シミュレーション 1

量子力学に基づくシミュレーション(量子シミュレーション)は、化学や材料化学で実験を理解、予測、主導するのにますます重要な役割を果たしている。実際量子化学は、計算機センターのCPU時間を相当使っている。化学の問題に対して量子力学が相当な (more…)

メニーコアプロセッサによる科学技術計算 1

現在の汎用CPUでは、チップ上素子の多くがキャッシュ(高速メモリー)や制御回路に使われている。その理由は (1) CPU動作速度より主メモリー(DRAM)読み書き速度が格段に遅く、近い将来にも改善されない。命令/データの局所性を生かすためキャッシュが必要である。 (more…)

密度行列汎関数理論

各種の分子や固体の違いは、結局どの原子核をどこに置くかの差しかない。 そこで、最安定状態の波動関数の代わりに電子密度を使っても、情報は全く失われない。1変数関数である電子密度は、多変数の関数の波動関数より単純である。 (more…)

密度行列に基づく量子力学理論 2

量子力学の授業で習うように、基底(つまり 最安定 )状態の波動関数は、エネルギー期待値を最小化して得られる。そして エネルギー期待値は、たった4変数の2次密度行列から計算できる。だから基底状態の波動関数は、実は求めなくても良いのではないか、という研究が1960年代からされてきた。 (more…)

密度行列に基づく量子力学理論 1

全ての物質は量子力学に従うため、全ての情報は波動関数に含まれる。しかもこの世界には2体力しか存在しないため、波動関数より簡単な密度行列を使っても、情報は全く失われない。そこで波動関数を密度行列で置き換えた、量子力学の理論を構築する事が目的である。 (more…)

理論化学の役目 4

新しい情報処理システム

現代の情報社会と情報処理システムの進歩は、半導体の微細加工技術の進歩に支えられています。加工技術の進歩により、半導体中の基本素子が小さくなり、 素子数も多くなり、 動作が速く、性能も良くなります。 (more…)

理論化学の役目 3

知的な材料設計

人と技術以外に資源を持たない日本は、高付加価値の製品を効率よく、環境に負担をかけずに作ることを望まれています。今迄は望みの機能を持つ物を、莫大なエネルギーと時間を使い、試行錯誤で開発してきました。 (more…)

理論化学の役目 2

環境問題

今私達は地球温暖化、環境ホルモン等の有害物質、ごみ問題等多くの環境問題に直面しています。これは人々が利便さのみを追求し、科学技術を盲目的に利用した結果生じたものです。化学は新技術で、人類が直面している地球規模の問題を、解決できると期待されています。 (more…)

理論化学の役目 1

我々も含めて地球上にある全ての物が、電子という負の電気を帯びた軽い粒子と、原子核という正の電気を帯びた重い粒子からできています。電子は一種類、原子核は百種類程度しか無いのに、それらが集まると硬かったり、甘かったりと色々な性質を持つ物ができます。 (more…)